今日はテーマパーク・遊園地のアトラクションのライドシステムである「トラックレスライド」の利点と欠点、そして今後の可能性について考えていきます。
目次
トラックレスライドとは
こんな記事にたどり着くような人はすでにトラックレスライドについては知っている気がしますが、一応説明するとトラックレスライドはその名前通り、レールがない乗り物のことを言います。
このライドシステムを使った有名なアトラクションは
- 東京ディズニーランドの「プーさんのハニーハント」
- 東京ディズニーシーの「アクアトピア
- 香港ディズニーランドの「ミスティック・マナー」
- ディズニーランドパリの「レミーと美味しいレストランのアトラクション」
- ディズニーランド・ディズニーハリウッドスタジオの「スターウォーズライズオブレジスタンス」
- 東京ディズニーランドの「美女と野獣の魔法の物語」
などがあります。
歴史
歴史は実は日本のディズニーランドのプーさんのハニーハントが初めてです。2000年に作られました。なんと20年も前にあんなすごいシステムのライドができていました。
その後2001年に同様のシステムを採用したアクアトピアができました。
実はこれ以降13年間も海外含めディズニーパーク及びその他遊園地にはトラックレスライドは存在しませんでした。TDRの運営のオリエンタルランドとの契約が絡んでいるんじゃないかと言われています。
さて、13年間がたち初めて海外ディズニーに建設されたトラックレスライドは2014年にオープンした香港ディズニーランドの「ミスティック・マナー」です。
内容はホラーチックな内容をコミカルに描いたホーンテッドマンションの現代版のようなもので、映像パートはなくアニマトロニクス中心の演出となっています。
[4K] Mystic Manor - Trackless Ride - Best Disney Ride Ever - Hong Kong Disneyland 2016
これができた後はディズニーは次々とこのシステムを採用したライドを作ります。
2014年に「レミーと美味しいレストラン・ザ・アドベンチャー」ができました。
このアトラクションはトラックレスライドにUSJのスパイダーマンのような映像パートを組み合わせたライドになっています。
未乗車なのでわかりませんが、ライドが揺れることはないみたいです。
[4K] Trackless Ride - Ratatouille Ride - Disneyland Paris
2016年にはカーズランドに屋外型のアトラクションの「ルイジのロッキン・ロードスター」
そして2019年には超最新アトラクションの「ライズオブレジスタンス」と「ミッキーとミニーのランナウェイ・レイルウェイ」
[4K] Star Wars Ride: Rise of the Resistance Ride (2 Different Tracks POV) - Disneyland
NEW! Mickey & Minnie's Ride - Trackless Dark Ride - RunAway Railway - Mickey's Ride
そして2020年東京ディズニーランドにも「美女と野獣の魔法の物語」がオープンしました。
こちらの動画はネタバレしたくない人おおそうなので、自分で調べてね。
このようにディズニーパークでは様々なアトラクションに採用されています。
更に、このシステムはディズニーに限らず様々なパークで採用されていて、シーワールドのアトラクションや、日本の富士急ハイライドのナルトのアトラクションも制作会社は違う可能性はありますがトラックレスライドのようです。
[4K] Penguin Trackless Ride - SeaWorld Orlando - Antarctica: Empire of the Penguin
科学忍具道場(富士急ハイランド)Kagaku-ningu-dojo
このように東京ディズニーランドが2000年にトラックレスライド初号機となり、今でもディズニーの最新アトラクションのライドにつかわれ、さらにディズニー以外のパークでも使われているといった感じです。
では歴史を振り返ったところで、次はこのライドシステムの利点と欠点を考えていきましょう。
利点
自由自在な動き
なんといっても最大の利点はレールが無いことから、今までのライドではつきものだったレールという制約から解き放たれたということでしょう。
美女と野獣の魔法物語で見られる、真ん中の対象を見ながら、ぐるぐる回るという動きはトラックレスライドでないと不可能な動きでしょう。
魔法の物語は未乗車なのでわかりませんが、プーさんのハニーハントはスリルはないものの、動いているだけでおもしろいですね。
またプーさんのハニーハントで見られる大砲の前スレスレまでいくみたいな動きもならではの動きです。
コース変更や動きの変更が簡単にできる。
あまりやっている事例は知りませんが、敷地の許す限り自由な動きができるので、期間限定で違う動きにすることだってできるかもしれません。
プーさんのハニーハントは通る床の下のセンサー埋めてるッて聞いたことあるから無理かも
欠点
床の部分が殺風景になってしまう。
トラックレスライドの最大の欠点はこれだと思います。床はライドが移動するために平面でかつ、ツルツルである必要があり、どうしても没入感が下がってしまいます。
特に広い部屋だと、ツルツルの床にポツンと真ん中にオーディオアニマトロニクスがあるだけの状態になってしまいます。美女と野獣の物語ではそれが顕著でどうしても寂しい印象になってしまう部分があります。(未乗車なので動画見ただけでの感想です。実際に乗ったら印象変わるかも)
ディズニーもそれをわかっているのか、アメリカのパークの最新鋭アトラクションではこれに対する解決策として、「ライズオブレジスタンス」はそもそもが宇宙船という設定なので、広い床があっても違和感なし、「ミッキーのラナウェイレールウェイ」は部屋を暗めにしたりと工夫されています。
トラックレスなのに、タイヤの後?で進む方向がある程度わかる。
トラックレスライドはどこに進むのかわからないのが魅力の一つですが、残念ながら、ゴムの跡で進む方向がある程度わかってしまいますよね。
まあこれは仕方がないですが
現状のトラックレスライドは平面的な動きしかできない。
何が言いたいかというと、今あるトラックレスライドは平たいとこしか走行せず坂を登ったりできないということです。
そのため、空間的な動きはしにくいし、ライドを入れるための建物も必然的に大きなものになってしまいます。
多分無線なので電力パワーに限界があるのでしょう。
しかし、これについてもすでにディズニーは解決策を示していて、なんと、「ライズオブレジスタンス」はエレベータを使うことで縦の移動があります。
これにはかなり驚きました。
ライドにモーションをつけるのは難しい?
どうやらライド自体にモーションをつけるのは技術的に難しいんじゃないかと感じます。
モーションをつけるというのはUSJのスパイダーマンのライドのような激しくライドをゆらすということです。
映像パートもある「レミーのおいしいレストラン」ライドもライド自体でモーションがないように見えるのでやはり難しいのでしょう。そのため映像と連動したスパイダーマンのようなものは作りにくいのかもしれません。
しかし、この問題は「ライズオブレジスタンス」では映像パートでは床とライドを固定し、床ごと動かすことで解決していました。イマジニア恐るべし。
美女と野獣は少しモーションがありますが、動画を見る限り、単調な動きに見えるので、USJスパイダーマンのような細かく、激しいモーションは技術的に難しいんじゃないかと思ってます。
今後の可能性
最新ライド「ライズオブレジスタンス」はやばい
何度かすでに言及してますが、海外ディズニーのスターウォーズエリアの「ライズオブレジスタンス」完成度はまじで半端ないです。
トラックレスライドの欠点を世界観と新しい発想で打ち消し、長所を伸ばし、さらに、ディズニーお得意のハイレベルな演出とオーディオアニマトロニクスによって本当にファーストオーダーに追われているように感じるほどです。
長らくダークライド(屋内型のライドアトラクション)の最高峰はユニバーサルのスパイダーマンやハリーポッターのライドでしたが、このアトラクションは紛れもなく最高のライドだと思います。
正直ディズニーがこんなに没入感があって面白いライドが作れると思っていませんでした。
このアトラクションがトラックレスライドシステムのことを考えると、まだmだすごいアトラクションができる可能性を秘めていると感じます。
ダイナミックスアトラクションの新トラックレスライドシステム
Dynamic Attractionsとはユニバーサルやディズニーのアトラクションのライド部分を制作しているすげえ会社なのですが、公式ホームページをみると
こんな感じのやべえアトラクションのプロトタイプ?の動画が公開されています。
http://dynamicattractions.com/wp-content/uploads/2019/05/06_ATR_V2_110618-1.mp4
これを見ると、バギー型の乗り物が自動運転のように動いていて、なんと坂も登っていて、ジャンプ台でジャンプもできる見たいです。
まだ実用化されたアトラクションはおそらくないですが、これが、実現されレバよりリアルなバギーアトラクションができそうです。しかもレールなしで!
ジュラシックパークや、インディージョーンズのアトラクションでこういうのが使われら面白そうです。
VRライドに使える。
トラックレスライドは割とVRと相性いいんじゃないかと思います。
これに乗せてVRができれば、席が揺れるだけじゃなくて、空間的な移動も可能になるからです。
コンテンツごとに動きも変えられるし、インタラクティブに操作してそれに合わせてライドが動くとかもできそうです。
まとめ
トラックレスライドについてまとめてみました。
まだまだ進化しそうなライドシステムなので今後が楽しみです。
よかったらツイッターのフォローよろしくお願いします。