ディズニーシーで2022年冬から始まった夜の新ハーバーショービリーブを今更ながら見てきたので感想を書きます。酷評回になっているのでご注意ください。
結論としては、
「ディズニーオタクが選ぶ名シーン回想集じゃなくてちゃんとエンタメやってくれ」
です。
辛辣な内容になるので好きな方は今のうちにブラウザバックすることをおすすめします。
目次
良かったところ
まずは良かったところから、とにかくプロジェクションマッピングとフロートのLED、そして火山へのレーザープロジェクションの融合は圧巻でした。
ここまで大規模な範囲で演出を同期させる演出は日本ではもちろん最高峰。世界でもトップクラスではないかと思います。LEDの解像度も非常に高く技術の進歩を十分に感じさせる内容です。
またホテルミラコスタへのプロジェクションマッピングも圧巻でした。私は大学でプロジェクタ関係の研究しているのでわかるですが、もともと投影が想定されていない色付き模様付き壁面に綺麗に映像を投影することには、それなりの技術的工夫があったんだと思います。もちろん壁面の色で投影色は変わってしまうのですが、映像として破綻しないんですよね。投影コンテンツ面でも多大な工夫をされたんだなと想像します。
ここまでいいところです。正直これくらいしか良い点を感じませんでした。次に悪いところを書いていきます。
悪かったところ
ストーリーが意味不明というか無い
基本的なストーリーは僕の一回だけ見た印象にはなりますが、
- ピーターパンが夢を探したい!
- なんか色んなディズニーキャラが頑張ってる!
- みんな夢を叶えた!
- みんなでハッピーエンド!
みたいな感じです。
まーじで意味不明です。これは僕が捻くれているということではなく、一緒に行った親も「きれいだったけど、よくわかんなかったね」と言っており、僕がアホだからじゃないと思います。
なんかですね、ストーリーをやるというより、ディズニー映画の名シーンを継ぎはぎしただけなんですよ。あれですね、YouTubeによくある「ディズニー名シーンまとめメドレー!」って感じです。
さらにその名シーンもちょっと加工してフロートについてる巨大LEDスクリーンとプロジェクションで投影するだけなので、余計これYouTubeでMAD見れば良くね??ってなりました。
一応ヴィラン登場とかもあるんですけど、勝手に歌って勝手に去ってくんですよ。あとはモアナだと思ったら急にラプンチェルになったりとか。意味不明です。
元々ストーリーを作るつもりはなく、あれもこれも名シーンを見せたくてそのためのこじつけストーリーを作ったんだと思います。
演出が単調、ただし派手
演出が意味不明でした。一番意味不明だったのは、火が出てきてヴィラン登場かと思ったらアナ雪の歌が始まります。なんで出したのって感じです。
また演出もとても単調です。僕の回強風で一部演出ができなかったって言ってたんでその影響もあるかと思うのですが、毎回毎回演出が同じなんですよ。プロジェクションとスポットライトとあとはピカピカ。正直途中で飽きました。
取り扱う作品がマイナー問題
今回色んなディズニー映画が名シーン集まとめって感じで出てくるんですが、そのコンテンツの選び方が変なんですよ。
特に結構メインで出てくる「モアナと伝説の海」と「リメンバーミー」が謎です。モアナは日本の興行収入51億、リメンバーミーは50億です。
この値だけ見ればすごそうですが、僕が大好きなシンゴジラの80億や、細田守の竜とそばかすの姫60億以下の数字です。みなさん、シンゴジラ、そばかすの姫見たことありますか??多分無いですよね。
でもいいんです。映画知らなくてもわかるようになっていれば。でもこれがなっていないんですよねー。多くの人にとって知らんキャラが勝手に困って勝手歌って勝手に感動してるけど、全くわからんわw状態です。
このショーのような知ってる前提で展開するにはせめて100億突破は絶対条件だと思います。最近の作品だとアナ雪、ラプンチェルくらいでしょう。
えっ、昔のディズニー映画のアラジンとか、美女と野獣、ライオンキングもたいして興行収入上げてないって??
確かにそうですが、これらのディズニー黄金期のアニメ映画は子供用に作られていて上映時間も短く、話も比較的単純です。それになんかこのへんの作品って家になぜかDVDがあったり、保育園幼稚園で上映されたりとか興行収入以上に履修率が高いと思ってます。(推測)
しかし、近年の作品はどうでしょうか?モアナは1時間53分、リメンバーミーは、1時間45分と長いです。さらに最近の作品は絶対に複雑な葛藤を描くので単純明快なストーリーではなくなってきています。それに加えて、最近ってコンテンツがありすぎですよね。僕が思うに往年のディズニー映画って親が好きで子供に見せてるケースが多いと思います。しかし、その見せるコンテンツは今やYouTubeになってしまいました。残念です。つまり、往年の作品は子供に見せるけど、新しい作品はそこまで思い入れないし見せない、もしくはみないんだと思います。
つまり、大多数の人が見たことないし話を知らないんですよ。これをストーリー知ってる前提で出すのはどうなのかと思いますね。
そして歌に関しても、疑問があります。アナ雪の曲といえばみなさん何が浮かびますか?「雪だるま作ろう」「レットイットゴー」ですよね。でもなぜかこのショーで歌われるのはアナ雪2の「イントゥーザアンノーン」です。みなさん知ってますかこの曲?大人だったらオタクしか知らないと思いますよ。意味不明です。
ディズニー社から新しい曲使えと言われているのでしょうか?なぞです。
根本にあると思う問題
以上散々文句を言ったわけですが、私はこのようになった根本の原因は、
企画者がディズニーを好き過ぎるから
だと思います。
どういうことかというと、ディズニーが好き過ぎるオタクであるが故に、この作品は知っていて当たり前、この作品のこのシーンは最高の名シーンだから入れたら絶対感動する。このシーンも名シーンでこれも捨てがたい。だから全部詰め込んじゃおう。感動二倍!
って感じで、好き過ぎるあまりに大多数の知らない人の視点がごっそりなくなっているだと思います。たしかにディズニーに来る人はディズニー好きな可能性は高いですが、全部作品を見ているのは少数派だと思います。
つまりエンタメではなく、作品の回想を提供してしまっているんです。
また文句になるんですけど、最近の日本のディズニーランドにはこの傾向が他でも出ていると思っています。
ランドの「美女と野獣の魔法の物語」もストーリーを追体験する内容。知らない人にとっては話が飛びすぎて意味不明。さらにディズニーオタクが嫌いな映像演出を極限まで排除し、映像でもいいところをロボットで勝負しています。
また、最近発表されたスペースマウンテンの建て替えに関しても、すでに世界各国で導入されている傑作アトラクションの「トロン」にすれば良いものを「スペースマウンテン」のリニューアルにしてしまう。新スペースマウンテンがどんなものになるかは謎ですが、トロンがあまりにも傑作なので超えるの難しいと思います。てかなぜまたスペースマウンテンにしたんだ?
などです。
ファンタジースプリングスのオリジナルアトラクションもこのような傾向が出ていないか心配でたまりません。
企画者側としてディズニーが好きなのはとても素晴らしいことですが、好きすぎて俯瞰の視点が欠けるとエンタメができなくなってしまうのです。
例えば私の好きな庵野秀明監督作品で、「シンゴジラ」は監督にそこまで思い入れがなかったからこそ一般人にも受ける傑作になりましたが、「シン仮面ライダー」は好き過ぎるあまり一般人には受けずカルト作品になってしまいました。
今のディズニーリゾートは、入園者数絶好調ではありますが、初心者の目線も忘れずに「推しのゴリ押し」ではなく、どんどん新しいものを取り入れながら「エンタメ」をしていただきたいものです。
【追記】
リメンバーミーディズニー➕で見ました。超いい話で最高でした。本当に素晴らしい作品だと思います。ただビリーブであの様に切り貼りで使うのはやはりショーとして嫌いです。
あんな単純な切り貼りは逆に作品に失礼だと思いました。
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