最近、Amazon制作の話題となっている映画『沈黙の艦隊』を鑑賞しました。詳しい作品内容については、以下のリンクで確認できます。
私の第一印象は、
思想が強く出すぎているなあー
と感じました。
私は原作未読ですが、おそらく原作の内容をそのままやったのだと思いますが、ちょっとこのグローバルな時代にあの展開は理解に苦しみました。言いたいことはわかるんですけど共感できない。共感できないのは別に私の考え方の問題なので、別にいいんですが、作品の主張に反論するキャラが全然いなくてこれしかないって感じになっちゃってるんですよ。
原作が書かれたのが1990年の冷戦終結時代あたりらしいですが、実写としてやるかつ、現代の時代設定(多分)としてやるならその辺のアレンジはあってもインじゃないかなーと感じました。
ということで以下で詳しくレビューします。
ネタバレ含みますのでご注意ください
目次
映像の魅力について
まずは映像について、これは圧巻の一言でした。本作では本格的な潜水艦戦シーンが多くあるのですが、CGはとてもリアルで、カメラワークや演出も非常に気合が入っていて、安っぽいと感じるシーンは一つもなかったです。
私はハリウッド映画をよく見ますが、そういう人でも十分に楽しめるクオリティです。むしろハリウッドよりエフェクトが抑えめなのでリアルでした。
一見地味になりそうな潜水艦バトルをあそこまでハラハラ・ドキドキの戦いにできるのは本当にすごいことだと思います。
とにかく邦画最高峰のクオリティになっています。
演出での気になる点
私はシン・ゴジラが大好きです。そしてシン・ゴジラはミニタリー物の作品において一つのベンチマークになりつつあると思います。
今作でも会議シーンは多いので、シン・ゴジラを期待していたのですが、まあ普通のドラマって感じでした。官僚はゆっくり喋りますし、いちいち顔で演技します。
会議シーンからもっと米中対戦の危機が迫っている緊張感を感じたかったです。特に第三の主人公っぽい官房長官。国の重役があの状況になって、潜水艦艦長の目的が知りたいだとか言ってる場合ではないでしょう。
原作がそうなのだとしたら、それに反論する人もいるといったアレンジが欲しかったです。
思想的な部分について
私は国際問題に詳しくないという前提で話します。
本作の序盤の基本プロットは、日本が核を持つために、政府が米軍と秘密の契約をすることから始まります。これは一理あると感じます。しかし、作中で艦長が主張する、独立国を宣言することには理解に苦しみました。これはあくまで好き嫌いの問題ですが、今の時代に、日本が独立を宣言し、たとえ書くを持っていても、潜水艦一隻で何ができるんだと思いました。とにかく目的が理解できないし、艦長がやべえやつなのはいいとして、乗組員全員が賛同しているのは更に理解できない。
ただ、これについては作品の思想ですし、実質日本がアメリカの属国になっているのは間違い無いですし、だからこそこの作品が人気なのだと思います。
でも、実写で今の時代に大金をかけてリメイクするのなら、もう少し反対の立場の意見も入れていくほうが良かったのではないかと思います。
最後考えを委ねる形で終わりますが、右によりすぎている感覚を受けました。
俳優さんたちの演技について
大沢貴雄さんの圧倒的存在感
映画の中で特に印象的だったのは、大沢たかおさんの演技でした。彼は『キングダム』でもその才能を発揮していましたが、この作品でもその実力をしっかりと見せつけてくれました。彼の不気味で優秀なキャラクターの演技は見事で、その圧倒的な存在感に引き込まれました。あまりにもハマり役でした。
アメリカ側のキャストの小物感
私たち日本人はハリウッド映画で1流の俳優を知っています。しかし、日本制作の作品で一流の外国人はどうしても使えません。つまり、日本の俳優は一流なのに、アメリカ人は全員間抜けみたいな顔してます。
モブならいいですが、偉い人でもみんな小物に見えました。特に、潜水艦に同乗したアメリカ人小物過ぎませんかね。
アメリカの総司令官のサングラスについて
また、アメリカの総司令官が暗い部屋でサングラスをかけているシーンがありましたが、これは原作の漫画が元になっているのでしょうか。もしそうだとしても、あんなに暗い部屋でずっとサングラスをかけているのはコメディに見えました。絶対おかしいでしょ。怪我してるから見せたくないのかな。
まとめ
私は思想的についていけない部分はありましたが、俳優さんの演技、CGと戦闘シーンの演出は圧巻でしたので、見に行って損はない映画だと思います。
以上です。