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【ドラマパートの緊張感の欠如】私はゴジラ-1を微妙に感じた【酷評ぎみレビュー】

ゴジラ-1を見てきましたのでレビューを書きたいと思います。

まず結論から

正直微妙だな。シン・ゴジラが排除した要素をすべてやってしまっているなあ

といった感想です。

 

ただこれはあくまで私個人の印象です。 Twitterとか見てると割と世間的には評判がいいみたいなので、 ちょっとずれてる部分もあるのかなと思います。またタイトルに酷評と入れてますが、SEO大作で酷評はしません。

私のゴジラ編歴といたしましては、昔からゴジラはすごい好きで、 昭和ゴジラは初代くらいしか見ていないですが、平成ゴジラ1984以降)はほぼ全部見ています。ハリウッド版もしっかり見ていて、「ゴジラキングオブモンスターズ」なんかはもう最高でしたね。

その中でも圧倒的に好きなのが庵野秀明監督の「シン・ゴジラ」。 映画館で6回ぐらい見て、配信で5回は見て、合計10回は見たぐらい好きです。

ゴジラ好きって一言に言っても幅広くて怪獣プロレスが好きな人、ミリタリーものが好きな人、vs人間が好きな人、怖いゴジラが好きな人、正義のゴジラが好きな人色々いると思いますが、私は、ミリタリーやvsにんげんなどリアル路線のゴジラが好きです。他も楽しめますけどね。

 

これからのレビューでは 私なりに思った「よかったところ」、「気になったところ」、 そして最後にコラム的に「世間の評判とシン・ゴジラの呪縛」についても書いていきたいと思いますので、 ぜひ最後まで読んでいってください。

 

なお

ネタバレを含みます。

ご注意ください。

 

目次

 

良かったところ

圧巻の映像表現とCG技術

圧倒的迫力!!「ゴジラ-1.0」新たな全身ビジュアル&場面写真15点公開(映画.com) - Yahoo!ニュース

映像に関しては、まさに圧巻でした。私たちはハリウッドゴジラのCGに慣れ親しんでいますが、今回の映画はそのレベルに迫る迫力、そしてそれをも超えるかっこいい演出とアングルでした。

特に印象的だったのは、ゴジラが爆弾を咥えて爆発し、その後に皮膚が再生するシーンです。CGによる皮膚の再生描写が非常に素晴らしかったですね。この演出は本当に面白いと感じました。以前の「シン・ゴジラ」ではゴジラが鉄の塊のようでしたが、今回はその再生能力が際立っていて新鮮でした。

そして、忘れてはならないのが放射熱線のシーンです。背びれが次々に伸びて、発射される様子は圧巻の一言に尽きます。放射熱線が炸裂し、その熱線が爆発して周囲に広がっていく様子も、見ていて非常に快感でした。エヴァンゲリオンシリーズなどの庵野作品に見られるような、見ていて爽快感のある爆発シーンを彷彿とさせます。この爆発の爽快回いわゆる庵野爆発的なものは、本人が監督したシン・ゴジラ以上に感じました。(あちらはリアルにするためあえてリアルな爆発にしたという話もありますが)

全体を通して、映像のクオリティの高さにはただただ感動しました。映画館に2000円払ってでも見たいと思わせるほど、見応えがありました。

 

オタク心を刺激する兵器の数々


オタクの心を刺激する兵器が多数登場しました。私自身、兵器やミリタリー関連が結構好きなのです。太平洋戦争で生き残った船が画面に登場したり、後ろにプロペラを備えたロマンの塊の戦闘機「震電」が要となる要素として登場したりと、メカニックに関しては、まさに監督の趣味全開でした。

とにかくワクワクし、ドキドキしました。また、それらをどう見せるかという点においても、演出は非常に上手かったです。飛行機シーンのカメラワークもとにかくかっこよく完璧でした。

 

ラストの作戦が面白い

映画のクライマックスに展開される最終作戦についても、非常に興味深いと感じました。

見る前は今回の設定は、資金も兵器も軍隊も無いのに、どのようにしてゴジラを倒すのかと疑問に思っていました。もしかしたら1954年の初代ゴジラと同じように、オキシジェンデストロイヤーという超兵器を使うのではないかと予想していました。超兵器の使用も面白いとは思いますが、私は初代ゴジラが基本的にリアル路線ですが、超兵器の登場だけは少し微妙だなと正直思っていました。(代案もないですが)

しかし、今回の作戦は、水圧を利用してゴジラを倒すというものでした。ボンベを設置し、その気体を放出することでゴジラが深海まで沈ませ、水圧変化で倒すというアイディアです。これが現実的に可能かどうかは私にはわかりませんが、映画演出としては、とても現実的でありながらユニークなアイデアだと思いました。また、予算的にも効果的に実行可能で、演出とリアリティを見事に両立させていると感じました。

シンゴジラ」でのヤシオリ作戦も好きでしたが、ゴジラの倒し方に関しては、今回の水圧を使った方法の方が私は好きかもしれません。

 

 

ゴジラのテーマを最高のタイミングで使ってくれた

ゴジラ映画といえばあの有名なテーマ曲ですよね。

しかし、敢えてこのテーマを使用しない作品も割りとあります。特にハリウッドゴジラで聞けたのは「キングオブモンスターズ」だけです。

しかし、私のようなゴジラファンにとっては、このテーマ曲が流れなければ、ゴジラ映画を観たという気持ちになれないのです。

そこで、今回の映画。その曲が2回ほど、最も効果的な瞬間に流れました。もう本当に最高でした。このテーマを聞いたら私は鳥肌が立ってしまいます。使ってくれたことには本当に感謝しています。最高でした。ありがとうございます。

 

youtu.be

 

 

で私が良く思ったのはこの辺です。今から気になった点を書きます。ほとんどが人間ドラマパートの方ですね。

今回のゴジラが好きな方はここで見るのをやめることをおすすめします。好きなものを悪く言われるのはいい気がしませんからね。

それでも読みたい方は以下もどうぞ

 

気になった点

シン・ゴジラが排除した邦画にありがちな演出

シン・ゴジラ』の映画予告編 | 株式会社ココロドル

私が気になったのは、シン・ゴジラで排除された、個人的に好まないと感じる典型的な邦画の演出が多く取り入れられていた点です。その演出というのは以下のようなものです。

  • 演技過剰(舞台的な演技)
  • いらない恋愛要素とお涙頂戴演出
  • 物語の進行を妨げる無能キャラ

これら演出の好き嫌いは意見が分かれると思います。裏を返せばこれらって邦画のヒットの法則とも言えますからね。

しかし、私はシン・ゴジラの頑固なファンであり好きでは無いです。逆にシン・ゴジラのスタイルを好まない観客も多くいるということを理解した上で文句を言います。

 

過剰な演技が目立ちました。日本人は本来、そこまで感情を表に出す人種ではないと思うのですが、演技がとても大げさでした。出演者全員が、まるで舞台上のような大袈裟かつ言葉をはっきりゆっくりと喋って演技をしています。シン・ゴジラでは俳優に演技をさせずに淡々と話させました。もちろん今回はヒューマンドラマパートが多いので、シン・ゴジラと同じ演出は使えませんが、もう少し緊張感のある演出が欲しかったです。

そして今作、映像で見せればわかる感情を全部口で説明するシーンが多かったように感じました。最近の流行りのアニメって割とこういう演出多いんですが、それを実写でやっちゃうと個人的にはチープに感じちゃいます。

 

次に、「恋愛要素とお涙頂戴」の演出についてですが、少しありましたが、物語を盛り上げるためのいい塩梅だったと思います。

 

次に、物語の進行を妨げるような無能なキャラクターの存在です。明らかにイライラさせてくるキャラはいませんでしたがきになるシーンはありました。後でも話しますが、作戦説明シーンで覚悟を決めて集まっているはずなのに頭の悪い質問をしたり、どうでもいい個人の主張をしたりと少し気になりました。

 

 

全体的に緊張感が足りない

今作でもっとも違和感を感じたこは、全体を通じて緊張感が不足していた点です。

この問題は特に、重要な作戦会議のシーンで顕著でした。命がけかつ決死の作戦であり、失敗したら船員はもちろんのこと、ゴジラを討伐に失敗し、何百万人の命が失われる可能性のある作戦を説明しているのに、理科の実験の先生のように軽々しく作戦話すのはとても不自然でした。だって、すでにゴジラ関連の死者が何万人といるんですよ。普通なら、もっと真剣な緊張感を持って説明されるべきですが、このシーンは少しコミカルに感じるほどでした。

また、作戦会議に出席する人々も、重大な状況にも関わらず、無意味な質問をしたり、当たり前のリスクを問題視したりするなど、緊張感を削ぐ行動が目立ちました。そして、驚いたのは作戦会議後に主人公たちが居酒屋で会議の内容を茶化しながら話し合うシーンです。まず、これだけの作戦を実行するのにも関わらず居酒屋で呑気に話している時点であり得ないし、この期に及んで、これ以外ないから代案あるならいってくれよーみたいなもうありえないです。何万人死んでると思ってんだ。

 

また話は変わりますが、主人公たちが就く機雷撤去の仕事について、仕事をやる前は危険だから行くなって話があるのですが、実際の仕事中のシーンでは、観客として見た時彼らがのんびりと仕事をこなしているようにしか見えず、全く危険に感じませんでした。なんか話だけでも足を失った人がいるとか過去に事故も合ったとか合っても良かったと思います。ゴジラ討伐ミッションはもちろん危険ですが、本来のしごとでは無いですしね。

 

また、キャストの多くが戦争経験者を演じているにもかかわらず、彼らの演技からは死への覚悟や恐怖、絶望といった感情が主人公以外ほとんど伝わってこなかったと感じます。ゴジラのCGは迫力があるものの、このような点からリアリティが欠け、作品全体がフィクションに感じられてしまうのです。緊張感の不足が、リアリティを損ねる大きな要因となっているように思います。


本当にゼロからマイナスになった?

タイトル「ゴジラ-1」に関する話題ですが、この作品は戦争で全てを失った「0」の状況からさらに深い絶望である「マイナス」へと進んでしまった、というテーマを持っているようです。

しかし、私としては、主人公とその周囲において実際にマイナスになったと感じることが少なかったです。なぜなら、主人公の機雷撤去の仕事が割と良い収入をもたらし、彼らの家庭が周囲の家庭よりも明らかに裕福になっているからです。立派な家は立つし、アメリカンバイクに乗っているし、ヒロインは銀座レディになります。歴史に詳しく無いですが、当時としてはかなり良い暮らしをしていたのでは無いでしょうか?

また、ゴジラ襲来により、東京が再び壊されますが、襲来したのは銀座で、主人公の家は被害を受けていません。また、ヒロインが死ぬ場面もありましたが、結局のところ、キャラクターに対する感情移入が足りないのか、言葉にするほどの絶望やどうしようもない感情は私には湧きませんでした。

これは最近「やみきん牛島くん」で絶望的なシナリオばかり見ていたからかもしれませんが、この作品からはそうした絶望感を感じ取ることはありませんでした。

 

 

ゴジラの目的は何?ただのモンスター?

ゴジラ モスラ キングギドラ 大怪獣総攻撃

今回の作品で私が疑問に感じたのは、ゴジラの目的がはっきりしない点です。

まず初めに、ジュラシックパークティラノサウルスを思わせるような子ゴジラが大戸島に現れますが、それが人間を襲う理由が明確でないのです。多くのゴジラ作品では、太平洋戦争の怨念や原子力への報復など、ゴジラが上陸する理由が何らかの形で示されています。「シン・ゴジラ」でもそうでした。

しかし、私の読解力不足かもしれませんが、今作ではゴジラがなぜ東京、特に銀座へ来たのかが理解できませんでした。銀座で暴れて熱戦を繰り広げた後に去っていくのは見ていて面白いですが、最終的にゴジラが何を達成したかったのかが分からないです。

私は、怪獣とモンスターの違いは意思を持って行動しているかどうかにあると考えています。しかし、今回のゴジラは、ただ攻撃されたから反撃する、という単純な動機で動いているように見えました。まるでジュラシックパークの巨大なティラノサウルスのように、ただ大きなモンスターでしかなく、その行動原理が理解できませんでした。

 

しょうもない文句

最後に気になったしょうもない点を挙げます。

 

まず、ゴジラが近づいているにも関わらず逃げ遅れる人々がいます。これらの人々はなぜか、空いている脇道を使わずにゴジラの進行方向に向かって走っていくのです。これはゴジラ映画のありがちな場面ですが、よりリアルな描写を目指すならば、この点はもっと考えられているべきだと感じます。

次に、熱戦で吹き飛ばされたヒロインが、なぜかそこまで大きな怪我なくで助かっている場面があります。これはかなり非現実的で、あの状況で助かる可能性は極めて低いと思います。もし助かっていたとしても、かなりの怪我をしていたり、体の一部を失っているなど、重大なダメージがあって初めて説得力があると考えます。このような非現実的な演出があると、物語全体が信憑性を失い、嘘っぽく感じられてしまいます。

 

 

世間の好評と私のズレ,そしてシン・ゴジラの呪縛

ここまで読んでいただきありがとうございます。今回の作品については、特に人間ドラマの部分に魅力を感じず、批判的な意見を述べましたが、世間では大変好評のようです。これについて、私は「シン・ゴジラ」で排除された要素が個人的に苦手だと感じているのかもしれないと思い至りました。しかし、それらの要素が一般には受け入れられているのも事実です。

私自身は今作があまり好きではありませんでしたが、国産のゴジラ映画が今後も続いてほしいと強く願っています。その際、ゴジラの人気を維持し続けるためにはシン・ゴジラの焼き直しでは意味がなく、新しい客層を獲得する必要があります。そんな中で、人間ドラマを中心とした、多くの人に受け入れられるゴジラ映画が作られ、評価されることは大変素晴らしいことだと思います。

ということで、色々と書きましたが、ぜひ皆さんもこの映画を見に行って興行収入に貢献し、これからもゴジラ映画が制作されることを支援しましょう。

それではレビュー以上です。改めて、ありがとうございました。

 

 

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